もしもシャツやブラウスにインクが沢山付いたら触らないまま持って来てね

 

ペンのインクには複数の種類があり落ちにくいインクも存在いたします

はい、最近頂きましたお仕事が今年新入生のおろしたてのブラウスに、インクがアチコチに付いてしまったと言うシミ抜きのご依頼でした。

お家でのお洗濯時にペンが紛れ込んでいたらしく、ブラウスの色んな所にインクが付まくっていました。
既にお店にお持ちになった時にはかなり薄くなっておりましたが、実はここからが落ちないんです。

1度処理されたインクのシミはある特定の種類のインクだと、最終的には完全には落としきれなくなってしまうんですね。

複数枚ご依頼を頂きましたが、やはり予想通り1枚だけは薄くはなりましたがどうしても完全には落とす事が出来ませんでした。

既にしっかりと生地の目に入り込んでいたのは、ゲルインクという種類のインクの顔料でした。

おはようございますオノウエです。
顔料というのはいわば墨の様な極小の固形物質ですので、生地目の奥深くに入り込むと取れなくなってしまうんですね。

 

落ちにくいインクであるゲルインク

ええ、インクには主に3種類ありまして、1つ目は油性、2つ目は水性。
それともう一つ、特にクリーニング屋泣かせのインクがあります。

それが3つ目のゲルインクです

ゲルインクというインクは油性のインクの良い特性と、水性のインクの良い特性を足したような良いトコ取りのインクなのです。

このゲルインクはもちろん紙に書くのを前提として滲んだり、消えたりしない為に作られたインクです。
もちろん衣類相手でもその効力は発揮されます。

染料なら漂白すれば取れますが、墨の様な極小の固形物質に漂白は効きません。
当然お洋服にとって、取れにくいシミと言う大ダメージを与えます。

衣類に付いたゲルインクは、しっかり浸透して生地の細部まで入り込み取れなくなります。

ちなみに、油性のインクは染料と溶剤が主に使用されており、滲みにくいです。
水性のインクは顔料が主に使用されており水を使って作られており滲みやすいです。

染料の成分が主なインクの場合は耐水性に乏しいので、乾くと耐水性の良い顔料の方が今はよく使用されています。

 

水性のインクは水で落ちるから水性なのでは無い

水性のインクってイメージから勘違いされる事が多いのですが、水で落ちるから水性なのではありません。
衣類についてしまった場合は水性のインクの方が、顔料が主に使用されている為に落ちにくいんです。

ココで言う水性の意味は、液体の状態の場合に「水で薄めて濃度を調整する事が出来ますよ」の意味です。
乾いたらもう水では落ちません。

水性のインクは衣類に付いた場合には、実は油性より取りにくいんですね。

 

話は戻りますが、ゲルインクは顔料が主体で水が使ってあります。

ですが、滲まない上に書く前はゲル状態なのですが書き出すとサラサラのインク状態になり、書き終わるとインクは再びゲル状になり滲みにくく濃い感じになります。

インクが一定に出る性質と、滲みに難い性質の両方があるんですね。
だから書いた字も濃くキレイに見えるんですね。

でも、これが衣類に付いてしまうと当然あきません!
メッチャクチャ取れにくいシミになってしまうのです!!

でも、この墨の様な極小の固形物質を取り込んでいる生地から引き離す薬品はあります。

しかし最初の1発目の処理でないと効果は半減いたします。
ですので、何もせずに触らない状態で処理する事が肝心なんですね~。

という訳で是非何もせずにご相談下さいネ♪

ではでは~。

クリーニングISEYAシミ抜き修復師オノウエノボル

尾上昇
尾上昇
大阪府吹田市五月ヶ丘北のクリーニングISEYA代表オノウエです。TeMA-クリーニングアドバイザーCA/京技術修染会認定修復師/クリーニング師/と複数の専門資格を習得。
メディア:株式会社商業界発行・ファッション販売2016年12月号にて、衣類のお手入れガイドブックを掲載。
”3度の飯よりシミ抜きが好き” ”休日はシミ抜き勉強会”こんなクリーニング師をはじめとする熟練スタッフが、お客様の”シミ”をお待ちしています。
お客様に喜んで頂く笑顔が一番のやり甲斐です。『うちのクリーニング屋さん』と呼んで下さい。