ネクタイは保管中の状態によってシミが無かった場所に目に見えるシミが浮かび上がってくる事があります

濡れている様に見えるけど乾かない液体状の何かが付いた感じのシミがクリーニングしても取れずに戻って来た

はい、ネクタイのシミに付いてはこれまでも何度も取り扱ってきましたが、その80%は水溶性の食べこぼし等の汚れである事が多いです。

それ以外の染み抜きではボールペンのインク等が多いですね。

保管状態に寄ってはクローゼットに長期間保管しておりますと、食べこぼしのシミが変化する事で生地の色までも壊してしまっている可能性があります。

それにシミの部分はタンパク質が多くカビや虫食い等の被害にも遭ってしまう事があります。

そうなる前にもシミは取り除いておきたいですよね。

特に遭わなくてもシミがネクタイの場合にはネクタイ自体がデリケートなシルク生地で作られている事が多く、食べこぼし等の水溶性の汚れが取り切れていない状態ですと付いていなかったハズのシミが浮き出てくる事もあります。

しかし!
「何時もクリーニング屋さんでちゃんとクリーニングしているよ!」
と言われる方も多いんですね。

では何故水溶性のシミが取り切れていないのでしょう??

おはようございますオノウエです。
実はクリーニング屋さんでは殆どの場合にはネクタイのクリーニングは「ドライクリーニング」と言う水を使わない専用の溶剤で行うクリーニング方法でクリーニングされております。

そのドライクリーニングでは水溶性の汚れは良く取れたとしても約70%以上残ってしまうんですね。

 

しみ抜きが必要な部分に部分的なシミ抜きを行う事で全体の生地にダメージを発生させる事なくシミだけをピンポイントで取り除く事がある程度は可能です

何故クリーニング屋さんではネクタイはドライクリーニングを行うのかと言いますと、シルクのネクタイは水に付いてしまいますと生地の感じが変わったり縮んだり色が抜けたり等々のダメージが多く発生してしまいます。

水を使ってシルクを洗いますとその方法によっては大きなダメージを与えてしまうんですね。

シルクの糸の断面は三角形状になっておりこれがシルクの独特の美しい光沢を生み出すのですが、汚れや物理的ダメージやそれを取り除く時のダメージによってひとたび変形してしまいますと実は元には戻らないのです。

これはシルクと言う生地の特性上のデメリットですので回避する事が非常に難しいんですね。

ではドライクリーニングでは落ちない汚れやシミはどうしたら良いのでしょう?

そこで!
活躍する染み抜きの方法が「部分染み抜き」なんですね。

他の部分にはダメージを与える事無くシミだけに対してピンポイントで軽いシミ抜きから初めて徐々に薬品などを使いシルクの生地に付いたシミを地道に取り除いていきます。

淡色系のシルクの場合には光が反射した場合に生地の角度や見る方向の向きによってはテカって見えたりシミに見える事もありますから生地目にも気を付けなくてはなりません。

 

今回もシルクのネクタイのシミは部分染み抜きを行いまして、他の部分にはダメージを与える事無く丁寧に染み抜きさせて頂き取り除きました♪

もしもシミの腐食と共に色(色素)が破壊されていても、色修正(染色補正)を行えばある程度は元の状態に近づける事が出来ますのでもしもシミを発見した時にはご相談下さいませ。

【遠方の場合の衣替えの染み抜きのご相談はこちらまでご連絡くださいませ】

ではでは~。

クリーニングISEYAシミ抜き修復師オノウエノボル

尾上昇
尾上昇
大阪府吹田市五月ヶ丘北のクリーニングISEYA代表オノウエです。TeMA-クリーニングアドバイザーCA/京技術修染会認定修復師/京技術修染会関西地域認定講師/クリーニング師/と複数の専門資格を習得。

メディア:株式会社商業界発行・ファッション販売2016年12月号にて、衣類のお手入れガイドブックを掲載。

メディア:漫画家のふかさくえみさん作「鬼桐さんの洗濯」第2巻と第3巻の表表紙を開けた裏に参考資料として僕のブログである「onouenoboru.com」を掲載して頂きました。
ハッシュタグは「 #鬼桐さんの洗濯 」「 #ふかさくえみ 」 で検索。

メディア:吹田市男女共同参画センターデュオさんにて「プロ直伝 洗濯・アイロンのコツ~男性のための暮らしに役立つ簡単家事術~講座」開催いたしました。

メディア:摂津市男女共同参画センター・ウィズせっつさんの交流室にて「知って得する洗濯豆知識と、簡単!キレイに仕上げるアイロン講座」を開催いたしました。

”3度の飯よりシミ抜きが好き” ”休日はシミ抜き勉強会”こんなクリーニング師をはじめとする熟練スタッフが、お客様の”シミ”をお待ちしています。
お客様に喜んで頂く笑顔が一番のやり甲斐です。『うちのクリーニング屋さん』と呼んで下さい。

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