お洋服にマニキュアが付いてしまっても慌てずにお持ち下さいませ落とせるかも知れませんよ


お洋服に使われている繊維の種類によっては除光液で生地が溶けてしまう場合がありますのでお気を付け下さいませ

はい、今回お受け致しましたのは赤いマニキュアを使用した時に、誤ってお洋服につけてしまったので取って欲しいと言うご依頼です。

ちなみにお預かりしたお洋服は現在では購入出来ないお洋服だそうで、かなり大事にされているお洋服でもありかなりのショックを受けられてお持ちになられました。

ここで、簡単に考えますと付いたのはマニキュアですから、マニキュアを取る時に使う除光液を使えば取れるだろうと言う考えです。

爪に付いたマニキュアを取るにあたってのその考えは方は間違いではありませんが、今回の場合はマニキュアが付いた対象は爪ではなくお洋服と言う事が問題なんですね。

お洋服は爪の様に硬くはありませんしケラチンで出来ている訳でもありません。

ですのでお洋服にマニキュアが付いてしまった場合には、繊維の種類によっては除光液で生地が溶けてしまう事もあるんです。

おはようございますオノウエです。
はい、決して除光液を付けてお洋服に付いたマニキュアを取ろうとは思わないで下さいね~。

 

 

絶対に除光液を使ってはダメな繊維それは「アセテート」という繊維です

今回お預かりしたお洋服は綿とポリエステルで出来ておりましたのでキレイに取り除く事が出来ました。

ですが、これが「アセテート」や「トリアセテート」という木材パルプのセルロースが原料である半合成繊維の場合ですと溶けてしまうのです。

正確に言いますと、マニキュアを取る時の溶液である除光液にも含まれている「アセトン」がマニキュアを取る時に油分と一緒にアセテートも溶かしてしまうからなんですね。

アセトン =除光液の主成分(60~90%)である有機化合物。

そして「アセテート」が溶けるとその部分が硬くなったり、接着剤でも付いたかの様に見える状態になります。

特にドレスに使用される事や、お洋服の裏地などにも使用される事が多い繊維です。
ですので、ドレス着用時のままのマニキュア使用は要注意です!

アセテート=天然素材の、木材パルプのセルロース成分と酢酸を作用させて出来た繊維で、半合成繊維(天然物と合成物が科学的に結合したもの)と呼ばれております。

レーヨンよりも弱く摩擦にも弱くパルプ由来なので水にも弱いです。
ポリエステルと混織されて使用される事があります。

似たもので、「トリアセテート」という繊維もありますが、こちらは合成繊維に近い性質の為少し丈夫です。

除光液は「アセテート」と「トリアセテート」を溶かします。

 

ネットで検索すると除光液を使えば取れると言う様な情報が載っていますがお洋服の繊維の情報までは載っていませんので鵜呑みにしないで下さい

実際にネットで「マニキュア シミ取り」と検索して見ると除光液を付けてつまみ取る様にして取るか、綿棒等で叩いて薄くなったら洗濯して下さいと言うような自己責任のシミ抜き方法が載っています。

行なう場合にはかなり注意して実行しないと、シミが広がったり生地の染色を破壊したりして色が滲んだりさらに取れないシミになってしまいます。

綿生地や麻生地の淡色系生地等の場合は自己処理するとまず色素が破壊され色が薄くなってしまう事はほぼ間違い無しです。

そうなってしまいますと抜けてしまった色を戻すには「色修正」などの特殊技術が必要になり余計な出費も重なりますので、先ずは衣類にマニキュアが付いた時には何も触らずにプロにおまかせ下さいね♪

ではでは~。

クリーニングISEYAシミ抜き修復師オノウエノボル

尾上昇
尾上昇
大阪府吹田市五月ヶ丘北のクリーニングISEYA代表オノウエです。TeMA-クリーニングアドバイザーCA/京技術修染会認定修復師/京技術修染会関西地域認定講師/クリーニング師/と複数の専門資格を習得。

メディア:株式会社商業界発行・ファッション販売2016年12月号にて、衣類のお手入れガイドブックを掲載。

メディア:漫画家のふかさくえみさん作「鬼桐さんの洗濯」第2巻と第3巻の表表紙を開けた裏に参考資料として僕のブログである「onouenoboru.com」を掲載して頂きました。
ハッシュタグは「 #鬼桐さんの洗濯 」「 #ふかさくえみ 」 で検索。

メディア:吹田市男女共同参画センターデュオさんにて「プロ直伝 洗濯・アイロンのコツ~男性のための暮らしに役立つ簡単家事術~講座」開催いたしました。

メディア:摂津市男女共同参画センター・ウィズせっつさんの交流室にて「知って得する洗濯豆知識と、簡単!キレイに仕上げるアイロン講座」を開催いたしました。

”3度の飯よりシミ抜きが好き” ”休日はシミ抜き勉強会”こんなクリーニング師をはじめとする熟練スタッフが、お客様の”シミ”をお待ちしています。
お客様に喜んで頂く笑顔が一番のやり甲斐です。『うちのクリーニング屋さん』と呼んで下さい。

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